太興院

             太興院永代供養合同墓



龍雲山太興禅院公式サイト


2023年12月31日現在


太興院の永代供養合同墓

「概要」
太興院の永代供養合同墓は五輪塔です。五輪塔は一般的な福禄寿の三段石塔墓よりも位が高いと言われています。それは五輪塔自体が五如来(五智如来)を表しているからです。
五智如来や五輪塔は、「仏さまの髪の色が青いことや仏旗や五色の幕」と紐付けられていますので先ずそれらを解説いたします。




■「仏さまの髪の色が青いことや仏旗や五色の幕」




   太興院観音堂の阿弥陀如来




          五色の仏旗


解説」
太興院の阿弥陀さまの髪の色は青です。これは太興院の仏像に限ったことではなく他の寺院でもよく見かけます。檀家さんの仏壇のご本尊の髪も青いことがしばしばあります。
これはお寺で行事がある時掲げる仏旗で説明しますと、仏旗は、青・黄色・赤・白・樺色(かばいろ)からなりますが、仏旗は仏さまの体を象徴しており、青は仏さまの髪の毛の色を、黄色は仏さまの肌の色を、赤は仏さまの体に流れる血の色を、白は仏さまの歯の色を、樺色(かばいろ)は仏さまがまとう木欄(もくらん)のお袈裟の色を表わしています。
ですから仏像を修繕したり新調したりする時、髪を青くします。
お寺で法要がありますとよく五色の幕を張ります。五色の幕は間色を採り「緑・黄色・赤・白・紫」となります。五色の幕と仏旗では、青と緑、樺色と紫が違っていますが、青と緑はよく混同されます。五色の正色は青・黄色・赤・白・黒で施餓鬼旗はこれを採ります。
中華陰陽五行説の青(木行/東)、白(金行/東)、赤(火行/南)、黒(水行/北)、黄色(土行/中央)と色は同じですが、印度哲学では地水火風空という原理を立て五輪塔はそれに基づいています。
太興院の墓地には永代供養墓がありますが、青っぽい石の五輪塔です。本来この五輪は別々の色です。
一番下の地輪は梵字ア、色は黄色で方形(四角)を当てます。
二番目の水輪は梵字バ、色は白色で円形を当てます。
三番目の火輪は梵字ラ、色は赤色で三角形を当てます。
四番目の風輪は梵字カ、色は黒色で半月形を当てます。
五番目の空輪は梵字キャ、色は青色で宝珠形を当てます。
五輪塔には東西南北の四面があります。
東面の梵字は下からア・バ・ラ・カ・キャで、発心門、大円鏡智を表します。
南面の梵字は下から梵字アー・バー・ラー・カー・キャーで修行門、平等性智を表します。
西面の梵字は下からアン・バン・ラン・カン・ケンで菩提門、妙観察智を表します。
北面の梵字は下からアク・バク・ラク・カク・キャクで涅槃門、成所作智を表します。
五輪塔の芯を以って法界体姓智を表します。
五輪塔婆の頭書きにこの五智を書きます。
五智は識に紐付けられます。
成所作智は前五識(眼耳鼻舌身の五感)に相応します。
妙観察智は第六識(意識/五感で捉えられない概念・観念・法などを認識することで俗にいう意識があるないの意識ではありません)に相応します。
平等性智は第七識(未那識まなしき/私、私の物、他人、他人の物の区別を認識)に相応します。
大円鏡智は第八識(阿頼耶識あらやしき/蔵識ぞうしき/種子・業を蔵する所で心識とも訳しますが記憶や深層意識を指します)に相応します。
法界体姓智は天台法華宗では第九識(阿摩羅識あまらしき/無垢清浄の意味)に相応します。
一方真言宗では第十識(乾栗陀耶識けんりつだやしき/心臓に宿る真如)に相応します。
法相(唯識)では穢れに染まった第八識(阿頼耶識が修行の結果として悟りを得た時に転変して無垢清浄な阿摩羅の相を変えるのであって阿頼耶と阿摩羅は表裏一体とします。
しかし天台法華では阿頼耶と阿摩羅は別識なので阿摩羅を第九識とします。
天台教学では我々は元々悟った存在としますがそれは我々が既に阿摩羅を具えているからです。
しかしいくら悟りを内蔵していても悟りを具現することはできません。悟りを具現する為には修行をしないといけない。修行していることは仏を体現化していることなのです。修行方法によって宗派が別れるのですが、曹洞宗では坐禅を修行している時に仏が現象化すると考えます。
次に五智に如来を当てます。
東の大円鏡智に阿しゅく如来を配置します。阿しゅく如来の梵字はウンです。色は青となります。
南の平等性智に宝生如来を配置します。宝生如来の梵字はタラークです。色は黄色となります。
西の妙観察智に阿弥陀如来(無量光仏・無量寿仏)を配置します。阿弥陀如来の梵字はキリークです。色は赤となります。
北の成所作智に不空成就如来を配置します。不空成就如来の梵字はアクです。色は黒となります。
中央の法界体姓智に大日如来を配置します。大日如来の梵字はア(胎蔵界)・バン(金剛界)です。色は白となります。
曼荼羅の五智如来はそれぞれの色(阿しゅく如来ならば青)で描かれますが、羯磨曼荼羅(仏像)の場合は仏像を五色に彩色することは少なく華の色を五色にします。たとえば東方阿しゅく如来の常花は青にします。
曹洞宗ではお施餓鬼の行事で「甘露門」を読みますがこれは五如来を供養しその功徳を巡らし三界万霊のあらゆる精霊に回向します。本堂に五如来旗を掲げます。この五如来は五智如来の異名です。即ち、
「多宝如来たほうにょらい」=「宝生如来ほうしょうにょらい」
「妙色身如来みょうしきしんにょらい」=「阿しゅく如来あしゅくにょらい」
「甘露王如来かんろおうにょらい」=「無量寿如来むりょうじゅにょらい/阿弥陀如来あみだにょらい」
「広博身如来こうはくしんにょらい」=「大日如来だいにちにょらい/毘盧遮那仏びるしゃなぶつ」
「離怖畏如来りふいにょらい」=「不空成就如来ふくうじょうじゅにょらい/釈迦如来しゃかにょらい」となります。
本堂では五如来の依代(よりしろ)は五如来旗となります。墓園では五如来の象徴(三昧耶形)が五輪塔となります。五輪塔には五如来が宿っておられるとします。皆さんがお施餓鬼や法事の際に立てられる板塔婆は五輪塔婆です。




太興院の永代供養合同墓



    太興院永代供養合同墓




    太興院永代供養祠堂位牌


「概要」
太興院の永代供養合同墓は五輪塔です。五輪塔に就きましては前項の「仏さまの髪の色が青いことや仏旗や五色の幕」でお分かり頂けたかと存じます。五輪塔が建つ所は五智如来の浄土であります。
五輪塔を造るに至って広く開山歴代住職に報恩すべくその墓誌を建てました。太興院の五輪塔は、五智如来(阿しゅく如来・宝生如来・阿弥陀如来・不空成就如来・大日如来)を供養し、開山歴代住職に報恩し、この霊園のすべての精霊を総供養するものです。
霊園は三界万霊が宿る廟所ですが、その導師が五智如来であり衆生を安堵します。太興院の永代供養合祀墓は「両墓制」で右のさら地が埋め墓、左の五輪塔が参り墓となります。
太興院の合同墓入陵永代供養は先祖代々であれ、戒名であれ、一柱に就き冥加金25万円となります。舎利(お骨)は右側の埋墓に埋葬します。お参りは左側の五輪塔を拝んでください。
お墓の墓誌にはお名前は刻まれませんが、その替わりに一柱分の永代供養位牌を本堂内の祠堂に安置します。本堂の方にもぜひお参りください。
永代供養合同墓・祠堂位牌に年会費はかかりません。尚、旧い仏壇やお墓のお精抜きといった改葬には別途料金がかかります。詳細は太興院にお問い合わせ下さい。




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